CPなりきり50の質問
……えー、こほんっ。
ただいまカメラテスト中。
よし、問題ないわね。
弥勒さま、珊瑚ちゃん、並んでそこに立ってくれる?
犬夜叉はさっき教えた通り、ビデオカメラ回してね。
では進行はわたくし、日暮かごめでお送りいたします。
* * *
1. あなたの名前を教えてください
「弥勒です」
「珊瑚」
2. 年齢は?
「十八です」
「十六歳」
3. 性別は?
「男です」
「女」
4. 貴方の性格は?
「柔軟性に富んでいる。臨機応変とも言いますかな。おなごにやさしく、が“もっとー”です」
「わりと真面目。あと、負けず嫌いかなって思う。頑固って言われたこともあるな」
5. 相手の性格は?
「多面的。いろんな意味で。掴みにくい人だなあって、最初、思ったよ。自分の感情を押し殺しちゃうような人」
「真面目で一途で不器用で、すぐに独りで思いつめて……そんなところがいじらしいですが」
「法師さまのほうが、本当はとっても不器用なんだと思うけどね」
6. 二人の出会いはいつ? どこで?
「退治屋の里が滅ぼされた直後」
「ええ。犬夜叉を仇だと信じ込まされたおまえが突然目の前に現れた」
7. 相手の第一印象は?
「あの、覚えてないんだ。あのときは犬夜叉しか目に入ってなかったから」
「まあ、状況が状況でしたからな。おまえは眼が印象的でした」
「みんなと一緒に旅を始めたときは、胡散臭い男、って思った」
8. 相手のどんなところが好き?
「珊瑚は知らないうちに私の心の奥底まで入り込んできた不思議な娘です。こんな娘は初めてだった。無垢さに戸惑い、ただ、惹かれた。もちろん、容姿も好みですが」
「言葉じゃうまく言えないけど。安心できるとこ……かな。なんか、口に出さなくてもあたしのこと理解してくれたり、つらいときは黙ってそばにいてくれたり。そういうところ」
9. 相手のどんなところが嫌い?
「嫌いなところなんてありませんよ。珊瑚の全てを知りつくしてますし、珊瑚の全てが愛しい」
「じゃあ、ここであたしが何を言いたいのかも解るよね?」
「は、はは……」
10. 貴方と相手の相性はいいと思う?
「これ以上相性のいい相手はいないでしょう。ねえ、珊瑚?」(にっこり)
「え……うん」(ぽ)
11. 相手のことを何で呼んでる?
「珊瑚」
「法師さま」
12. 相手に何て呼ばれたい?
「珊瑚のままでいいよ」
「法師さまも捨てがたいんですが……弥勒さま、とか、あなた、とか。もちろん、弥勒、でも構いませんよ」(にこにこ)
「……」(赤面)
13. 相手を動物に例えたら何?
「うーん。猫ですかねえ」
「……狸」
「私のどこが!」
「中身」
14. 相手にプレゼントをあげるとしたら何をあげる?
「贈り物? 何がいいかなあ……法師さま、欲しいものってある?」
「言っていいですか?」
「……いや、いい。自分で考える」
「私は、珊瑚がいつも身につけてくれるような何かを贈りたいですな」
「あ、お守りの数珠とか?」
「……」
15. プレゼントをもらうとしたら何がほしい?
「誠実さ。それだけで充分」
「まるで私が不実みたいじゃないですか。それじゃあ、私は言葉ですかな。おまえの私に対する素直な気持ちをきちんと言葉で受け取りたいものです」
16. 相手に対して不満はある? それはどんなこと?
「法師さまはすぐ本心を隠す。あたしにまで本心を見せないのって哀しいよ」
「珊瑚にはもう少し私に甘えてほしいですねえ」
17. 貴方の癖って何?
「手の届くところに珊瑚がいると、すぐ触っちゃいます」
「あたしじゃなくても、女なら誰でもじゃないの?」
18. 相手の癖って何?
「癖っていうか、習性? 女の人を見るとすぐ手を握って声かけるよね」
「じゃあ、おまえは癇癪か?」
「あんたが浮気しなければ怒んないって!」
19. 相手のすること(癖など)でされて嫌なことは?
「浮気」
「……」
「う・わ・き!」
20. 貴方のすること(癖など)で相手が怒ることは何?
「私が他のおなごと話しているだけで怒ります」
「話すだけで終わるとは思えない。っていうか、ただ話してるだけに見えない」
21. 二人はどこまでの関係?
「闘いが終わったら、その……」
「それはみな知っていることでしょう。何をしたかもっと具体的に言わなければ」
「言わんでいいっ」
22. 二人の初デートはどこ?
「二人だけで出かけたところ? 山で妖怪退治だったかな」
「珊瑚、それは“でーと”とは言わんのでは? それに二人で出かけたところなら他にもあるでしょう」
23. その時の二人の雰囲気は?
「ピリピリしてた」
「だから珊瑚、それはでーとではないと……」
24. その時どこまで進んだ?
「いろいろあったけど、ちゃんと退治したよね」
「もういいです……」
「最後に法師さまが言ってくれた言葉、あれ嬉しかった」
「珊瑚っ……!」(がばっ)
25. よく行くデートスポットは?
「でーと……すぽっと、って?」
「逢い引きする場所のことですかな」
「逢い引きっ? ないっ! したことない!」
「うーん。旅をしてますからなあ。行き先はころころ変わります」
「だから逢い引きなんてしてないってば!」
26. 相手の誕生日。どう演出する?
「誕生日ってないんですよ。年が明けたら、みな、一緒に年を取りますからな」
「普通に新年のお祝いをするね」
27. 告白はどちらから?
「……法師さまから」
「ええ、私から。でも珊瑚は隠し事が下手ですから。おまえの気持ちはちゃーんと解ってましたよ」
「うそ──!」
「かごめさまも七宝も気づいていたようでしたが」
「……」(真っ赤)
28. 相手のことを、どれくらい好き?
「あの……とっても……」
「三千世界を包み込めるほどの大きな愛をもって」
「はっ恥ずかしいよ」
29. では、愛してる?
「もちろんです!」
「……あ、えっと、その……うん……」
30. 言われると弱い相手の一言は?
「『おまえだけ』……って、きゃー! なに言わせるんだ、かごめちゃん!」
ばしっ!
「どうせ口先だけだって解ってるのに、すぐ騙されちゃうあたしも馬鹿だよね」
「いたた……あの、不可解なんだが、何故口先だけだと……?」
31. 相手に浮気の疑惑が! どうする?
「殴る」
「……珊瑚、身がもちません」
「疑惑だらけだもんね、あんたは」
「珊瑚には浮気の疑惑なんてあるわけないです。行動は全て把握してますから」
32. 浮気を許せる?
「許せるわけない」
「同感です。もちろん許しません」
「あんたが言う?」
33. 相手がデートに1時間遅れた! どうする?
「迎えに行きます。何かあったのかと心配ですからな」
「あたしも捜しに行く。どこかで女を口説いてるかもしれないから」
「珊瑚……」
34. 相手の身体の一部で一番好きなのはどこ?
「手。法師さまの手が一番好き」
「……」
「ちょっと! どこ見てんの!」(お尻隠して後退さり)
「冗談ですよ。眼が好きです。珊瑚の眼は心を映し出す鏡みたいですから」
35. 相手の色っぽい仕種ってどんなの?
「ふっと気を抜いた瞬間とか。法師さまって、ほら、隙がないからさ。何気ない無意識の仕草が妙に色っぽかったりする」
「戦闘のあと、結いあげた髪を解くとき。珊瑚は男顔負けの闘いをするでしょう? ですから、そういうときに“女”を強く感じるんです」
「……法師さま。いつどこでそれを見た?」
「──」
36. 二人でいてドキっとするのはどんな時?
「急に真顔で見つめられたりとか……」
「珊瑚の一挙一動にどきどきしてます」
「……う、嘘ばっかりっ」
「いま抱きしめたらぶたれるだろうか、とか」
「そっちのどきどき!?」
「冗談ですって」(くすくす)
(か:なんだか弥勒さまにうまく誤魔化されたような気がするんですが……)
37. 相手に嘘をつける? 嘘はうまい?
「任せてください。自信あります」
「威張って言うこと?」
「ですが、おまえに嘘なんかつけません」
「そこからして嘘くさい」
38. 何をしている時が一番幸せ?
「ほ、法師さまと……」
「法師さまと夜をともにするとき、だそうです」
「違うっ! 法師さまとゆっくり一緒にいられるとき!」
「私もおまえといるときが一番幸せですよ?」(すりすり)
39. ケンカをしたことがある?
「しょっちゅうしてるかも」
「喧嘩らしい喧嘩なんかしたことないでしょう。おまえが一方的に怒ってるだけで」
40. どんなケンカをするの?
「法師さまの浮気とか、せくはらが原因で口喧嘩」
「あれは浮気ではなく社交辞令ですし、せくはらではなく、すきんしっぷです。それに、口喧嘩ではなく、おまえ、手が出てます」
41. どうやって仲直りするの?
「なんか丸めこまれちゃう」
42. 生まれ変わっても恋人になりたい?
「もちろんです。二世の縁というでしょう?」
「あ……うん、はい」(ぽっ)
43. 「愛されているなぁ」と感じるのはどんな時?
「……」
「そんな眼で見なくても、ちゃんと愛していますよ、珊瑚」
44. 「もしかして愛されていないんじゃ・・・」と感じるのはどんな時?
「さっき言ったようなことを他の娘にも言ってるんじゃないかと思うとき」
「……こんなふうに私の言葉を信じてくれないときです」
45. 貴方の愛の表現方法はどんなの?
「抱きしめたり、口づけたり、ここを撫でたり、この辺を触ったり……」
ばしっ!
「……珊瑚。まさかとは思うが、平手打ちするのがおまえの愛情表現ではないだろうな?」
46. もし死ぬなら相手より先がいい? 後がいい?
「珊瑚を残しては死ねません。かといって、珊瑚のいない世界なんて」
「何度もあたしをおいて死にかけたくせに。あたしも、そうだな。法師さまより先に死んだら、浮気されそうで嫌」
「珊瑚、その理由はあんまりでは……」
「でも、あとはもっと嫌。法師さまがいなければ、生きていけない」
(か:ぼそっとつぶやく珊瑚ちゃんに、弥勒さま、あれは珍しく照れているのではないでしょうか)
47. 二人の間に隠し事はある?
「珊瑚に隠し事なんて」
「隠したまま忘れちゃってることとかない?」
「……。ううーん」
「考え込むなっ!」
48. 貴方のコンプレックスは何?
「えっと、劣等感ですか? そうですな、……あったかな」
「そんなふうにすぐ本心を隠して、素直に自分を出せないことなんじゃないの?」
「素直に振る舞えない意地っ張りはおまえのほうこそでしょう」
「あたしは法師さまほどひねくれてないよ。あたしは……もう少し女らしくなれたらなって思う。なれないって解ってるから、余計そう思うのかも」
49. 二人の仲は周りの人に公認? 極秘?
「告白してるところを覗かれてましたから」
「法師さまは隠す気ないもんね」
「おまえは隠すのが下手ですし」
50. 二人の愛は永遠だと思う?
「当然でしょう」
「……だったらいいな」
「そんな弱気でどうするんですか。おまえは私への愛情が足りん!」
「法師さまの浮気がなければ永遠だと思う」
「はああ……」(がっくりため息)
* * *
「はぁい、カット! 弥勒さま、珊瑚ちゃん、お疲れさま。犬夜叉、ちゃんと撮れた?」
「おう。……たぶん」
「じゃあ、さっそく編集するわよ。これ二人の披露宴で流すんだから」
「ひろう、えん?」
「祝言の宴の席のことらしいですよ、珊瑚」
「ええっ? かごめちゃん、ちょっと待ってー!」
「……なあ、弥勒。あの小せえ四角い窓、最初から最後まで真っ暗だったんだがどう思う?」
「それは失敗したのでは?」
「……う゛、やっぱりそう思うか」
「あーあ、おらは知らんぞ。って犬夜叉ー、どこ行くんじゃー!」
「逃げましたな」
「みゃ」
(2008.6.7.up)